あらすじ
主人公閑間重松の気がかりは、姪の縁談がまとまらないことである。
姪は器量がよく、どの縁談相手も最初は縁談に乗り気なのだが、最終的にはどの縁談もまとまらない。
理由は簡単だった。姪が被爆しているかどうかという事情が破談させている原因だった。
閑間は、姪が被爆していないことを縁談相手に証明するために、当時の日記をひもとくのだが、皮肉にも彼女は原爆直後の黒い雨を浴びていることが判明する。
着目点
この作品は、声高に反戦を訴えるわけでもなく、声を荒げて原爆の悲惨さを訴えているわけでもない。
ただ、淡々と原爆の非人間性を冷静な筆致で告発しているのである。
しかし、その冷静さの裏側にはもちろん深い憤りがあることはもちろんである。
ポイント
黒い雨は戦争ものであるし、夏休みの読書感想文のための本としては適していると思われる。
ただ、夏=戦争という単純な思考回路で高得点を狙おうとしてもむずかしい。
その辺りをねらってくることは教師にも分かっているのだ。
問題は、この「黒い雨」の冷静な文章から、読者が作者の言いたいことをどれだけ汲み取れるかである。
それに共感するか否かはまた別問題であるので、その点は読者各々が原爆や戦争というものにどんな価値観をもち、スタンスを取っているかということが問題となるだろう。
単に「……だから、戦争はいけないと思います」というような終わり方なら、小学生でも書けるからである。
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