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阿Q正伝 魯迅

清朝末期の中国を阿Qの中に強烈に批判した作品ー阿Q正伝 魯迅



あらすじ


清朝末期、中国に阿Qという人物がいた。彼は住居も持たず、地蔵堂に住んで、たまに人の手伝いをしては、小遣い程度の駄賃をもらって生活していた。

村人はそんな阿Qをいじめ、馬鹿にしたが、阿Qは傷つかなかった。
ことさら阿Qが強い人間だったからではない。彼には精神的勝利法と忘却術があったのだ。

しかしながら、その精神的勝利法と忘却術があるが故に、傷つくこともなかった代わり、進歩することもなかった。

阿Qはちょくちょく事件を起こしたが、みんな「どうせ阿Qがやったことだろう」といって相手にもされなかった。ただ、ある女性に手を出したときには大問題になってしまい、村を追い出されてしまった。

それから数年たち、小銭を貯めた阿Qは村に帰ってみんなを見返そうとする。

最初は村人も阿Qをちやほやしたが、阿Qが泥棒の手先になっていたことを知ると、また元の阿Qに戻ってしまった。

すると今度は辛亥革命が起きる。革命の余波は阿Qの村にも及び、旦那衆は大慌てである。
旦那衆をやりこめるいいチャンスだと思った阿Qは、革命が何かも知らずに「革命家」に変身する。

ある日、村の名家が強盗に襲われる事件が起こると、犯人は阿Qだとされ逮捕されてしまう。
そして、村人が見渡す中で刑が執行されてしまうのだった。


着目点
一見、中国の最下層の人間の愚行を描いた小説かと思うが、実はそうではない。
魯迅は、阿Qという人物に中国を同時に映し出していたのである。
だから、これを読んだ同時の中国人は「痛いところを突かれた」わけである。
それならば、中国人には歓迎されなそうなようなものだが、この作品はとうの中国で歓迎されたことを忘れてはならない。
つまり、魯迅は単に、列強諸国にほしいままにされている中国を批判しただけではないのだ。
そこには深い愛があった。祖国への深い愛である。
「是とするものを擁護するのと同じ熱烈さで、非とするものを批判しなければならない。愛するものを抱きかかえるのと同じ熱烈さで、いや、もっと熱烈に、憎むものを抱きかかえなければならない」といっているのは、魯迅本人である。つまりこれは「熱烈な愛がなければ人を攻撃してはいけない」といっているのと同じである。
魯迅はこの「阿Q正伝」という作品で、みごとにそれを実践した作家であるのだ。


ポイント
魯迅の作品では「故郷」のほうが教科書に載ることが多いかもしれない。
阿Q正伝は比較的短い作品で、また読みやすい。
この作品のポイントは、着目点のところでも書いたように、阿Qという男と中国という国を重ねて書いているところである。
ということは、少なくとも、歴史がそれほど得意でない人は、清朝末期の中国を含む歴史をざっと見返してから読むと、魯迅の言いたいことがとらえられやすいと思う。


阿Q正伝 (角川文庫)
阿Q正伝 (角川文庫)増田 渉

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